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  • 高野自動車工業

耐スリクリヤーの塗装と磨き

更新日:2021年8月24日

トヨタ・アルファード、202黒のソリッドカラーです。この車は「セルフリストアリングコート」という、耐スリ傷性塗装がされています。耐スリ傷性クリヤー塗装とは、塗膜が強靭かつ、柔軟で薄いキズが付いていても自己修復するという特性を持つ高機能性(クリヤー)塗装です。

この塗装(完成塗膜)は、上記の様な特性を持っていますが、ポリッシュ作業では逆に磨きキズが消えにくい、という特性もあり、研磨から鏡面へと磨き上げるのに非常に困難を要します。


塗装作業時は、塗装ブースを使用、作業者は防塵服を着用し、ゴミを付着させない塗装環境を作ります(この環境は通常の塗装であっても変わりはありません)。そして、ゴミが付かないよう塗肌を均一(膜厚は0.04㎜から0.06㎜)に現車オリジナルと同じになるよう神経を使い、完成を予測して、微調整しながら非常に緻密な作業を進めていきます。


塗装後の磨きは、塗装中にやむなく対処しきれなかったゴミの付着や肌ムラを修正して仕上げる、という意味合いの作業となります。工程としては先ず表面の不具合箇所を研磨基材(ペーパー等)で研磨調整します。最終番手は5000番(ノーマルクリヤーは3000番)で調整していきます。次に研磨剤(コンパウンド)・バフ・ポリッシャーを使用して磨きあげていき光沢のある塗装面に戻し仕上げていきます。しかし、このクリヤーは熱による変化が大きい為、ポリッシャーによる摩擦熱が研磨仕上げ磨きという意味工程を大きく阻害します。研磨キズがなかなか消せない、磨いた後キズが浮き出る(磨きキズの戻り)といった現象が起きてしまいます。その為低速で力をかけず、ポリッシュを行いますが、それでも熱は発生してしまいますので、濡れたクロスを使用し、パネルを冷ましながら何工程もかけて丁寧に磨き上げていきます。

耐スリ傷性クリヤーの磨き作業の際は、このクリヤーの特性を理解したうえで、作業を進めていくことが必要になります。


当社では、この様な耐スリ傷性高機能(クリヤー)塗装がされているお車には相当性能を有したクリヤー材料を使用し塗装をしております。

ですが、材料/工賃共に少々割高となるため、自費で修理金額を抑えたいとご希望のお客様には、ノーマルのクリヤー塗装の内容もご提案をさせて頂いております。


車は塗装(色や材質)も高度化しています。知識、技術とそれに対応できる設備がないと

品質の高い車体修理は提供できません。





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